川原クリニックのコンセプトは、狭い意味での病気の人だけでなく、日常の色々な悩みや相談も受けるので、なるべく病院っぽくしないで、<川原先生のお家に来る>みたいなイメージにしました。
アニメのキャラクターグッズだったり、ロックのポスター、野球の昔の記事、ゲーテ等の哲学書、なぞなぞのポスター等々。
クリニックというより、趣味の部屋といった感じです。
心にとって、「病気と健康」や「異常と正常」などに明確な境界線があるものではありません。
2つの間には、中間の領域があります。
多くの精神の病気は、この領域がやられてしまい、保てなくなっているようです。
病気を発症する時には必ずこの中間領域を通過しますし、回復期にも同様に中間領域を通って良くなります。
川原クリニックでは、この中間領域を大切に考えています。
中間領域は、他にも「日常と非日常」や「常識と非常識」や「夢と現実」や「赤ちゃんと大人」の間にもあります。
そこがうまく機能すると、「遊び」が生まれます。
日本語の「遊び」にはplayという意味の他に「ブレーキのあそび」のように余裕という意味があります。
このような言葉遊びやなぞなぞやジョークやナンセンスが中間領域の代表で、芸術の世界にも発展して行きます。
クリニックの空間が遊びに溢れていて、始めはビックリしますが、次第に居心地が良くなるのは、そんな計算もあるのです。
受付の前の長机は、学生さんが勉強できるスペースとして作りました。これは、遊びと真面目が共存できるようにです。
他にも、クリニックには患者さんに楽しんでいただくも仕掛けが沢山あります。